最小二乗法(4) 多項式フィッティング
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今回は、次のような形のモデル関数について、を求める。
このモデル関数は、次の多項式である。
さて、正規方程式は次のようなものであった。
これに上のを代入すると、
より、
ここで、
とおくと、上の式は、
これより、
という連立方程式が得られる。
行列形式で書けば、
あとは、これをの各要素について解けばよい。
次回は、実際に(線形近似)を導いてみる。
最小二乗法(3) 線形最小二乗法と非線形最小二乗法
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最小二乗法は、モデル関数によって次の2つに分かれる。
線形最小二乗法
モデル関数が、「既知の関数とパラメータの積」の線形結合で表される関数(線形モデル関数)であるもの。
一般的には、
ただし、は任意の(パラメータを含まない)関数である。
たとえば、とか、などである。
最小二乗法(2) 一般的な正規方程式
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実際に、次の式を満たすようなを推定しよう。
推定すべきこの関数をモデル関数と呼ぶ。
全く制限がないとモデル関数は求めがたいので、制限を加える。
は、何かしらの既知の関数のパラメータを操作することで決めることにする。パラメータの数をとする。
パラメータからなる次元ベクトルをとして、その第成分をとする。
つまり、
これに伴い、がに依存することを明確にするため、と書くことにする。
このとき、モデル関数はとかのような形になる。
さて、この制限下で前述の目的を満たすには、の両辺をで偏微分してやって、
この方程式を、正規方程式という。
ここで、は(定数であるから当然なのだが)の要素で偏微分すると0になる。
したがって、先のについての偏微分の式は、
と変形できる。
もう少し変形すれば、
となる。
各パラメータの推定誤差を求める。
全てのが持つ同一の誤差は次のようにあらわされる。
誤差の伝播式より、
次回は、モデル関数の性質について考える。
最小二乗法(1) 最小二乗法の理念
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ずいぶん前に、最小二乗法を勉強してWordでまとめたのだが、数式が多いので重くなってしまう。
軽い状態で見られるようにこっちで書き直してみる。
最小二乗法とは
測定値の組について、次の式を満たすを推定する手法の一つ。
ここで、は、推定値と真の値との誤差。
ただし、は正確(誤差を持たない量)で、のみが測定誤差を持つものとする。
最小二乗法の目標
最小二乗法においては、次の式を満たすを推定するのが目標である。
ここで、が全てのについて同じ値であるとすれば、
この場合は、結局は次の条件を満たせばよいことになる。
次回以降は、が全てのについて同じ値であるものとして、を目指していく。